昨日のHealy PDFと今日のPDFを並べると、違う項目が気になります。
増えた、消えた、順番が変わった。そこからすぐに「良くなったのか」「何が原因なのか」と考えたくなるかもしれません。
けれど、二つの資料のページ範囲や取得条件が違えば、見えている差は時間による変化とは限りません。片方に載っていない項目を「消えた」と扱うだけでも、読み方は大きくずれます。
昨日と今日のPDFを比べるときは、まず日時・資料の種類・対象範囲・取得時の条件を記録し、二冊を別々に監査します。その後、共通項目を「継続」「新規掲載」「今回非掲載」「表示差」「比較不能」に分けます。ここで整理するのは資料上の差であり、変化の原因や良し悪しではありません。
時系列比較で大切なのは、違いを見つけることより、「何が同じ条件で比べられるか」を決めることです。
日付だけでなく、比較条件を残す
二つのファイルを、資料Aと資料Bに固定します。
資料A:昨日の日付と時刻
資料B:今日の日付と時刻
資料の種類:同じ形式か
対象範囲:全ページか、抜粋か
取得時のメモ:自分が覚えている範囲の状況
状況メモは、原因を決めるためではありません。あとから「同じ条件だった」と思い込まないための記録です。
たとえば、取得時刻、睡眠、食事、仕事や移動、本人が感じていたことなどを短く残せます。ただし、記録した出来事とPDFの差が因果関係にあるとは限りません。
氏名、会員番号、連絡先など、比較に不要な個人情報はアップロード前に隠します。
比較前に、二冊を別々に確認する
最初から「昨日と今日の違いを出して」と頼まず、一冊ずつ読み取り範囲を確認します。
資料Aと資料Bを、まだ比較しないでください。それぞれについて、資料ID、日付、ページ数、見出し、項目数、欠けているページ、判読不能箇所を別々の表にしてください。確認できない内容を推測で補わないでください。
ここで、両方が同じ種類・同じ範囲の資料かを確かめます。
一方が全ページで、もう一方が一部だけなら、掲載項目の数は単純比較できません。見出し名が同じでも、列、単位、並びが違う場合は、その差を先に明記します。
項目名を照合してから値を比べる
時系列比較では、似た項目を同じものとして結びつけないことが重要です。
まず、表示どおりの項目名を左右に並べます。完全一致、表記揺れの候補、対応不明を分けます。
完全一致は文字列が一致したもの。表記揺れ候補は原資料での確認が必要なもの。対応不明は勝手に統合しないものです。
項目名の対応が確認できたものだけ、値や順位など、資料に実際に表示された要素を比較します。小数点、%、単位が違う場合も、同じ数値として扱いません。
差分を五つに分ける
「変わった/変わっていない」の二択では、欠損と変化が混ざります。差分を五分類にします。
1. 継続:両方に同じ項目が掲載されている
2. 新規掲載:資料Bに掲載され、資料Aでは確認できない
3. 今回非掲載:資料Aに掲載され、資料Bでは確認できない
4. 表示差:両方にあり、表示された値・順位・表記などが異なる
5. 比較不能:欠損、判読不能、形式差などで比べられない
「新規掲載」は、昨日は存在しなかった、という意味ではありません。「今回非掲載」も、なくなった、解消した、悪化したという意味ではありません。あくまで、そのPDF上で確認できた掲載状態です。
比較表には、根拠位置を残します。項目/資料A/資料B/分類/出典位置/確認事項。
ページ番号が分からない場合は、見出しとページ内の位置を書きます。AIが推測したページ番号は使いません。
そのまま使える時系列比較プロンプト
資料Aは昨日、資料Bは今日のPDFです。最初に各資料を別々に監査し、日付、ページ数、見出し、項目数、欠損、判読不能箇所を示してください。同じ種類・対象範囲・単位で比較できるかを確認した後、表示どおりの項目名を照合してください。確認できた共通項目だけを、項目/資料A/資料B/分類/表示差/出典位置/確認事項の列で表にしてください。分類は「継続・新規掲載・今回非掲載・表示差・比較不能」のいずれかにしてください。片方に載っていない項目を0や消失として扱わず、似た名前を自動で統合しないでください。まだ原因、良し悪し、身体状態、効果は解釈しないでください。
表が出たら、数項目を原PDFと照合します。
項目名は正確か
値、小数点、%、単位は正確か
分類は掲載状態と一致するか
出典位置から元の表示へ戻れるか
誤りを見つけたら、表全体を作り直させる前に、その行の原文転記と根拠位置を再確認します。
比較表のあとに、観察メモを作る
表示差を確認した後、自分の記録を別欄に置きます。時点/PDFで確認した表示/その日の出来事/本人の体感/未確認の問い、という並びです。
ここでも、欄を混ぜません。
「忙しい一日だった」と「ある項目が掲載された」は、同じ日に起きた二つの記録です。そこに関連があるかは、この二つのPDFだけでは決められません。
AIへは、結論ではなく問いの候補を整理してもらえます。
PDF上の表示事実、私の出来事メモ、体感を別欄のまま保ってください。関連が確定したとは書かず、次回も観察できる中立的な質問を3つ作ってください。
たとえば、「同じ時間帯でも同じ掲載状態になるか」「次回の資料範囲は揃っているか」のような、確認可能な問いへ変えます。
二時点だけで傾向を決めない
昨日と今日の二点は、差分を見つけるには使えます。しかし、それだけで傾向、周期、原因を確定することはできません。
比較を続けるなら、毎回同じ列を使い、条件メモと出典位置を残します。三回、四回と増えても、一つの表へ無理に詰め込まず、各時点の原資料IDを維持します。
OpenAIの公式FAQでは、ChatGPTのファイルアップロードは複数文書の比較に使えると案内されています。一方で、AIの比較表が原資料の検品を不要にするわけではありません。
PDFに表示された事実、参照資料に書かれた説明、AIの仮説、本人の体感は別の層です。一つの差分から、診断、原因、治療判断、効果、病気との因果を決めません。
昨日と今日を比べる目的は、答えを急いで作ることではなく、観察できる差を、あとから確かめられる形で残すことです。
※本稿は、二時点の資料を整理・照合する一般的な方法です。医療上の診断、治療、効果判定を目的とするものではありません。

